〜初心者からプロまで!賢く最適な投資信託を選ぶ完全ガイド〜
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資産別の選び方
投資信託を選ぶ際には、ファンド特性を見極め「何のリスクを取るか」を考える必要があります。
例えば、景気が好調で先行き企業業績が改善すると見込まれる場合は、株式投資信託を購入すれば値上がりや分配金が見込まれます。
逆に景気が鈍化・悪化していく局面では、金利低下により債券投資信託の良好なパフォーマンスが見込まれます。
これらのリスクを分散しつつ、アセットアロケーション変更のタイミングやバランスをファンドマネージャーにお任せする分散型(マルチアセットファンド)もあります。
以下では、自身の相場見通しや投資方針を定め、賢く商品を選べる様、投資信託の資産別の選び方を解説したいと思います。
株式投資信託
株式に投資する投資信託は、指数の値動きに連動するパフォーマンスを目指す「インデックス型(もしくはパッシブ型)」と、
指数を上回るパフォーマンス目指す「アクティブ型」の2つに分けられます。
指数は、国内株式市場であれば、日経平均株価やTOPIXなどがあります。海外株式市場であれば、米国のS&P500指数やダウ・ジョーンズ工業平均指数、英国のFTSE100指数、ドイツのDAX指数などがあります。
最近よく耳にする「オルカン」は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動することを目指したファンドで、全世界の株を組み入れた株式指数です。
・インデックス型(パッシブ型)
インデックス型株式投資信託は、指数の値動きに連動することを目指します。指数構成銘柄が、何十〜何千になりますので個別株投資よりも企業の個別要因リスクは分散されていると言えます。株式市場全体の株価変動が、リターンの源泉となります。景気や経済、政治、金融政策動向に注目する必要があります。個別株の判断などが入らないので、購入手数料や信託報酬が安いという特徴があります。
・アクティブ型
アクティブ型株式投資信託は、目標とする指数のパフォーマンスを上回ることを目指します
。アナリストが個別企業の調査を行い、これに基づきファンドマネージャーが投資判断を行います。株式市場全体の動きに加え、個別企業の要因(企業業績、経営方針、ヘッドラインニュースなど)が株価に大きく関わりますので、ファンドマネージャーの目利きがパフォーマンスの源泉になります。過去のパフォーマンス実績やファンドマネージャーの経歴を参照し、投資に値するかをよく吟味することが必要です。
債券投資信託
債券に投資する投資信託は、株式投資信託同様、指数の値動きに連動するパフォーマンスを目指す「インデックス型(もしくはパッシブ型)」と、指数を上回るパフォーマンス目指す「アクティブ型」に分けられます。
債券の指数は、あまり一般的にはあまり馴染みが無く耳にしたことがない方も多いと思います。また、株式市場の様に市場が存在するものではないので、日々の変化を直感的に把握するのは難しいと思います。
代表的な債券指数は、以下のようなものがあります。
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FTSE World Government Bond Index (WGBI)
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MSCI Fixed Income Indexes
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JP Morgan Emerging Markets Bond Index (EMBI)NOMURA-BPI総合
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Bloomberg Barclays Global Aggregate Bond Index
この債券指数は、それぞれのインデックスを作成している企業(インデックスベンダーやプロバイダーと呼ばれています)が構成銘柄や組み入れ銘柄のウェイトの基準を作り公表しています。
組み入れ銘柄は、各国国債のほか、社債や公共債、金融機関債、インフラ債など様々な発光体の債券が組み入れられています。
以降で、最もポピュラーなFTSE WGBIとMSCI債券指数について、少し詳しく説明いたします。
・FTSE World Government Bond Index (WGBI)
WGBI(世界政府債券指数:world government bond index)は、各国の政府が発行する債券を集めたもので、日本、アメリカ、ドイツなどの先進国の債券が含まれています。この指数に組み込まれる債券は、一定の信用格付け(信用力の高さを示す指標)を持ち、流動性(売買しやすさ)が高いことなどが基準となっています。また、ブラジルやメキシコなどの新興国の債券も含まれています。詳細はこちら(外部ページ)をご参照ください。
・MSCI Fixed Income Indexes
MSCI債券指数(MSCI Fixed Income Indexes)は、MSCI社が定める一定の信用格付けと流動性を持つことが基準となっています。
発行国は、アメリカ、日本、ドイツなどの先進国国債を対象としています。加えて、ブラジル、メキシコ、南アフリカなどの新興国の債券も対象としており、より高リスクであるが高リターンが期待できるものです。
そのほか、同指数に含まれる債券は高い格付けを基準としており投資適格とされる「BBB」以上の格付けとしています。また、流動性も重要な基準としています。
WGBI(世界政府債券指数)との違いとしては、WGBIが主に先進国の国債を対象としているのに対し、同指数はより幅広い新興国債券やESG(環境、社会、ガバナンス)に関連する債券も含めていることが特徴です。詳細はこちら(外部ページ)をご参照ください。
分散型投資信託
株式や債券に投資する投資信託とは異なり、様々な資産に分散して投資する投資信託があります。
「バランス型」や「マルチアセット型」などと言われることが一般的で、株式や債券のほか、為替やREIT(上場不動産投資信託)、コモディティ(金や原油などの商品)など幅広い資産に投資し「リスク分散」をし、ポートフォリオを形成します。
リスク分散をする目的は、投資する資産によって値動きが異なるため、この特性を活かしリスクを抑制し安定したリターンを得るためです。
例えば、ある時期に株式市場が不調でも、債券市場は好調であることがあります。株式にだけ投資していると、株式市場が値下がりしたときに大きな損失を被る可能性がありますが、ポートフォリオ内に債券を保有していると全体の損失を抑えることができます。(株式市場が下落した場合、債券市場が上昇することが一般的に知られていますが、これを「負の相関性(逆相関である)がある」と言い、リスク分散する際はこの相関性を利用します。)
明確なビジョンがある場合は、一つのリスク特性を持つ資産に全力で投資しても良いです。しかしながら、安定したリターンを中長期的に狙うのであれば、リターンは抑制的になってしまいますが、リスクを分散し想定外の相場変動に備えることが賢い投資と言えます。
この最適なポートフォリオ形成を、プロにお願いするものがマルチアセット型ファンドなどの分散型投資信託です。特に入門者や大きな資金を運用したい方にはおすすめです。
・マルチアセット型
マルチアセット型投資信託は、前述した通り一つのファンドでいろいろな種類の資産に投資する投資信託です。投資した資産がどのようなリスク特性(感応度)を持ち、各リスク同士がどの様な相関性を持っているかをよく観察します。同じ値動きをするもの(正の相関)は抑制する一方、逆の値動きのもの(負の相関)は多めに保有するなどのポートフォリオを形成します。
少し難しい話になりますが、株式と債券は同じ方向に動く局面があったり、債券の中でも社債などは株式リスクと同じ特性を持つ(企業業績に連動する信用リスク)ものもあります。ファンドマネージャーは、保有資産がどの様なリスク特性を持ち、どの様な状況にあるかを逐一モニタリングし、資産配分を適宜見直しを行なっています(アセットアロケーションと言います)。
・バランス型
バランス型投資信託は、分散投資によりリスクを抑制する点はマルチアセット型と似ていますが、複数資産を組み入れず単一の資産だけでポートフォリオを形成するものです。
株式ひとつとっても、負の相関性があるものや異なった値動きをするものは多くあります。輸出企業などの「外需株」と国内で稼ぐ企業など「内需株」は、反対の値動きをすることがあり、これらの値動きの特性を利用しリスクを抑制したポートフォリオを形成します。ファンドマネージャーの銘柄選択の目利き力がパフォーマンスに直結します。投資信託の商品選定の際には、どの様な銘柄を組み入れているかにも注目する必要があります。
(注:マルチアセット型とバランス型は、明確に分類する基準はありません。当サイトでは、理解しやすいように便宜的に区別しています。
戦略型投資信託
これまでの投資信託は、基本的にポートフォリオで資産を買い、保有することでリスクテイクするものでした。ここでは、空売りや先物などデリバティブ取引を利用し売り建てることで、値下がりをも収益化する戦略を取る投資信託があります。
代表的なものとしては、「ロング・ショート型」や「ブル・ベア型」などがあります。
ロング・ショート型は、株式や債券、為替など売り建てができる資産では何でも対象になってきます。ファンドマネージャーやアナリストなどの目利き力がパフォーマンスに直結することになります。私たち投資家の商品選定が全てになりますので、投資中上級者向けと言えます。ファンド手数料が比較的高いことも特徴です。
ブル・ベア型は、ファンドが先物を買い建てたり、売り建てたりするだけのシンプルなものになります。ファンドのストラテジーは戦略と言えるほどのものはありませんが、自身のポートフォリオに戦略的に組み入れることが想定されます。相場下落リスクを抑制したり、相場見通しにベットしたりと上手に利用することをお勧めします。手数料が比較的安いので、機動的に活用できるのも特徴といえます。値動きが単純なので、初級者から上級者まで幅広い方にお勧めの投資信託と言えます。
・ロング・ショート型
ロング・ショート型の戦略は、値上がりだけでなく、値下がりも収益化する戦略です。
例えば、株式ロング・ショート戦略では、企業業績がよく今後値上がりが見込まれる企業の株式を保有します。一方で、同じセクター内で業績悪化で値下がりが見込まれる企業の株式を空売りします。相場見通し通りの値動きになれば、収益を得ることができます。株式投資信託との違いは、値下がりもファンドパフォーマンスに影響することです。
上手な個別銘柄選定ができていれば、株式市場全体の値動きに比較的影響を受けにくく、良好なパフォーマンスを期待できるものです。逆に、個別株式の動向如何によっては、いずれも逆の値動きとなりダブルパンチでパフォーマンス悪化の可能性もあります。アナリストの個別企業分析とファンドマネージャーの銘柄選定が、ファンドパフォーマンスの大変を決めると言えます。
・ブル・ベア型
ブル・ベア型の戦略は、主に先物などを活用しレバレッジをかけることで、相場の何倍もの値動きを狙うファンドです。(ここで、ブルというのは買いのポジションを取ること、ベアというのは売りのポジションを取ることです。売りのポジションというのはイメージが付きにくいかもしれませんが、市場が下落した場合に、収益を得ることができる取引です。)
例えば、「TOPIX2倍ベアファンド」などがありますが、TOPIX指数が▲3%下落した場合、ファンドパフォーマンスは+6%となります。市場が天井圏にあり、今後値下がりの可能性が高い場合、下落のリスクを収益化することが狙いです。倍率も2.5倍、3倍、・・・と様々あり、購入したタイミングが全てのため、自身の相場見通しに自信がある場合に購入することをお勧めします。
その他投資信託
前述の投資信託以外にも、様々な資産に投資するものがあります。投資信託の魅力は、自身で投資するにはハードルが高い資産やそもそも直接投資は不可能な資産に手がとどく金額で投資できることです。
為替
コモディティ
REIT
オルタナティブ
ロング・ショート型の戦略は、値上がりだけでなく、値下がりも収益化する戦略です。
例えば、株式ロング・ショート戦略では、企業業績がよく今後値上がりが見込まれる企業の株式を保有します。一方で、同じセクター内で業績悪化で値下がりが見込まれる企業の株式を空売りします。相場見通し通りの値動きになれば、収益を得ることができます。株式投資信託との違いは、値下がりもファンドパフォーマンスに影響することです。
上手な個別銘柄選定ができていれば、株式市場全体の値動きに比較的影響を受けにくく、良好なパフォーマンスを期待できるものです。逆に、個別株式の動向如何によっては、いずれも逆の値動きとなりダブルパンチでパフォーマンス悪化の可能性もあります。アナリストの個別企業分析とファンドマネージャーの銘柄選定が、ファンドパフォーマンスの大変を決めると言えます。